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単純なオヤジの言葉は ガキの脳を……… ………1歩大人に近づけた お母さんは『母親』という 自分とは別の生き物だと ずっと思っていた 歩み寄る…… 友達とはそれが上手くやれてるのに…… お母さんも俺の友達と同じように 一人の人間なんだと 初めて親を理解しようと動きだした オヤジの言葉は 社会人になった今でも 心に響いている ジャリ……ジャリ…… 二人で石を踏みならす あの海が見たくて…… 「…………キャッ……」 石によろけるツル 「ほら……気を付けろよ」 その靴、海仕様じゃねーもんな…… 1歩先を歩いていたのを 振り返り………… …………手を差し出すと 「ありがと……ブタちゃん」 ツルの小さな手が 俺の手のひらに乗せられたので ギュッ………… 冷たい指先を包んでやる ツルにあの海を見せたくて…… 冬の凍えそうな潮風と波の音 「これ……登るのぉ?」 「これが最後だよ」 最後の巨大な岩に到着
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