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戸惑うツルを置き去りに
「お前のことずっと好きだったんだ……
……誰にも触れさせたくないんだ
……傷つく姿も見たくない
ずっと大切にするよ………約束する……
だから……」
真っ直ぐにツルを見つめる
なのに……
俺から目を逸らし
まだ、全部言い切らないうちに……
「………………ゴメ……ン……………………ムリ…………」
小さな声が返ってきた
ツルの瞳からポロリ……と、零れた一粒が
並べた貝殻に染み込んでいく
その一言で
胸が潰されそうになる
なんでだよ………
なんでムリなんだよ?
……はぁ~~……失敗したな……
敗因は
ツルを惚れさせる計画だったのに
我慢出来ずに突っ走った結果
一瞬で玉砕…………
…………海の藻屑となる
距離が広がり
巨大なダメージ
…………海より深く落ち込む
このまま海にダイブしてしまおうか
諦め半分で力なく波に目をやる
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