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千鶴が着くのと
俺が着くのと
さほど変わらないだろ？
千鶴会いたさに
めまいを忘れて走る
ｳﾜｯ……スゲー人の数
千鶴と一緒だと
『次にしよ？』とか言って諦めるのに
最後のひと駅だ……ｵｼｯ！
階段下の激混みドアに強引に捩じり込む
同じ電車かな？
ポケットに入れてる携帯
出したくても出せないギュウギュウ
ドアが開くとマヨネーズのように押し出され
勢いに乗り
スーパー側の階段下まで行く
『着いたよ 買い物中？』
『早ーーい！まだ改札出たとこだよ』
やっぱ同じ電車だったんだ
共有していた空間がちょっと嬉しい
階段の下から見上げ
千鶴が見えてくるのを待つこと数秒……
あっ…みっけ！…って…ｸｽｯ……中坊かよ？
俺がここから見てるとは
気づいてない千鶴が階段を降りながら
携帯を出して
………………画面を見た瞬間
千鶴の胸だけが突然
……グン……と前に突き出し……
………おぃ……ちょ………ちづ…
視線の先は千鶴に固定したまま
地面を蹴って走り出していた
慌てて振り返る千鶴の口が
小さく『あっ……』と動き
前のめりに崩れ
人混みの中に飲まれ消えていく
「ちづるーーーーーーー！！」
全ては……ほんの一瞬の出来事……
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