ご飯食べながら走ってはいけません。

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「遅刻遅刻遅刻遅刻~~!!」 片手にご飯茶碗、片手にお箸を持ち、少年は走る。 アスファルトを蹴り、ひたすら走り続ける。 「お袋のバカぁぁっ!! 走りながらご飯喰えるかぁぁっ!!」 半泣きになりながら走る。 もう少し!もう少しだっ! この角を曲がればっ!! 曲がった先、小さな人影、かわす間もなく、正面から、 「きゃあっ!」 がしゃん! ばしゃっ! パラパラパラ・・・ 飛び散る白米が、目の前に転んだ少女に降り注ぐ。 空から降る白米が白く白く輝いて・・・ 「・・・あ、パンツも白だ。」 転び、まくれたスカートの中も、白。 びちゃびちゃびちゃ・・・ ・・・雨、か? 暖かな雨・・・、視界を覆い隠す、ワカメ。 頭に乗った物は白い豆腐。 ・・・味噌汁? 「どこ見てんのよっ!バカぁっ!!」 げしぃっ!!
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