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「いってぇぇっ!!蹴るなっ!蹴るんじゃねえっ!
だいたいてめえその体勢で蹴るからもっとパンツ丸出しになってんじゃんかよっ!」
そりゃそうだ。お互い向き合いながら尻餅ついているのだから。
「っ!?
・・・見んな!ばかあっ!!」
真っ赤になり、まくれたスカートを抑える姿は普段のおてんばさは見る影もなく、不覚にも可愛いと感じてしまう。
「わ、悪かったよ。つーか、お前も俺も遅刻じゃねえかっ!走るぞっ!!」
「ああもうっ!あんたがぶつかってきたからでしょう!」
「何言ってんだっ!おまえがぶつかってきたんだろうがっ!」
並んで走りながら喧嘩しあう。
「はぁぁ~!?なにいってんのっ!あんたのせいっ!
それになんでご飯、ご飯って言うか白米食べながら走ってんのよっ!ご飯粒だらけになっちゃったじゃん!!」
「うるっせぇーー!道に出た所でお袋に無理やり投げ渡されたんだよっ!
朝を抜くと低血糖で倒れちゃうかもとか言って無理やり渡されたのっ!
それにおまえだってなんで味噌汁飲みながら・・・つーか、お前、よく飲みながら走れたな。
じゃねえやっ!
みろっ!このワカメっ!どうしてくれんだっ!」
いまだぶら下がるワカメ。だんだん乾いてきた。
「こっちだって無理やり道に出た所で渡されたのっ!
父さん、朝の味噌汁一杯が脱水予防につながるとか言って無理やり持たせてきたのっ!!」
「「・・・はぁぁぁぁぁ~。」
お互い顔を見合わせ、深い深いため息をつく。
二人の共通点は、
親が重度の心配症だということだ、
「とにかく急げっ!
ゆかりは優等生なんだから遅刻なんかしちゃやべえって!」
「わかってるってのっ!!」
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