運動会~龍二と俺と時々やかん。

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「うっし!そうと決まったら! ・・・ゆかり、開始時間まで後何分?」 「ふえ? んと・・・あと、一時間はあるよ?」 「OK!そんだけあれば間に合うか・・・。 龍二、俺とこいっ! 根回し行くぞっ!!」 は?根回し?何を政治家みてえなことを・・・。 訳も分からずとりあえずついていく。 「根回しってどこ行くんだよっ!?」 「一年のクラスまとめるっ! 共同戦線張るんだよっ!」 はああっ!? 今からっ!?間に合うのかっ!? 「できる限り協力集めるっ!各クラス代表一名うちのクラスにきてもらうっ! 早い者勝ちっ!早い奴のクラスから円の中っ!!」 「はっ!?へっ!?」 マジでわからんっ! バトルロワイヤルだろうが!みんな敵だぞっ!? 隣のクラスの待機場所へと赴く。 「こんちはっ!隣のエニシですっ! 一年同士協力しましょうっ!協力したかったら俺のクラスまで代表一名きてくださいっ! 二年三年つええからっ!俺たちは協力しようっ! 早い者勝ちねっ!早い所から安全な所にいられるんでっ!それじゃっ!!」 ・・・なるほど、そういうことね。 少しでも集まればそれだけで守り固くなるしな。よし。 「エニシっ!だいたいわかった!手分けしよう! 俺は反対から回るっ!!」 「サンキュー!!」 一年全部で20クラス以上ある。 説明する時間も考えりゃ30分以下しかねえ。急がなきゃっ! しっかし!あいつもバカっ!! てめえのクラスに説明しねえでどうするっ!! 一度クラスに戻り、ゆかりに簡単にエニシのやりたいことを説明。 来てくれた人の順番づけを頼み、また走り出す。 ったくよぉっ!!エニシのバカはぁっ!!いつもめんどくさい状況にしやがるっ!! 脳内とは裏腹に口元に浮かぶ笑み。 エニシの起こした波はそう簡単には止まらないのだ。 あとは駆けずり回るのみ。
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