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「何でしょうか…?」
「お姉さん…。新人さん?見ない顔だよね?」
「…まだ入ったばかりですが」
「だよねだよね。よくこの店に来るけど見たことないから。かた、せちゃんなんだね」
胸に着けている名札を見ながら、私の名前を呼んだ。
「…すみませんが、用がないなら失礼します」
また去ろうとすると、ギュッと右手を握られた。
「片瀬ちゃんて可愛いねぇ」
右手を握りながらじりじり、ゆっくりと近付いて来る。
待って…。これ、ちょっとピンチ……。
私は手を振り解くことを忘れてしまっていて、後ずさりをしていた。
ドンッと鈍い音とともに、背中に衝撃が走る。
私の背中は棚についてしまい、これ以上後ろに下がれない。
男の顔が近付いて来る。
──────!!
忌まわしい記憶が蘇ってくる。
「─お前そっち押えてろよ」
「─早く終わらせてくれよな」
「─じっくり楽しませてもらうぜ」
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