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そっと、左手で右の肩を掴む。
まだ震えていた。
……大丈夫。もう、大丈夫。
自分で自分をあやす。
ふと、何処からか「クスクス」と小さく笑い声が聞こえた。
声の方を見ると、そこには中村がいた。
私を見て笑っている。
─あの男が18禁コーナーにいるって分かってて、私を向かわせたな。
事実が分かって、いつもならイラッとしていただろう。だけど今回はそんな気にもなれなかった。
ギュッと更に肩を掴む力を強める。
何も思い出さなくていい。
今回のことも。
──前のことも。
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