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でも…一週間初見さんとは会わなくて。葬儀で大変だったけど、ふとした時に初見さんを思い出していた。
柔らかい笑顔。優しく私を呼ぶ声。暖かい体温。
思い出せば思い出す度、どうしようもなく会いたくなった。
そしてそれらを思い出すと、苦しいくらいに胸が締め付けられた。
…完璧に私の中で、初見さんの存在は大きくなっている。
自分でもそれがハッキリと分かった。
分かってる。
…分かってるけど。
これ以上私から前に進めない。
孝二のことがあって、まだ初見さんとの間に一枚壁がある。
まだ引きずってるの?って、自分でも突っ込みたくなる。
初見さんはどう考えても裏切る人じゃない。
私の体目当てでも、和也のようにお金目当てでもない。
でも…踏み出すことが出来ない。
万が一があるんじゃないか?って…。
だって…孝二のこともすごくいい奴だって思った。
なのにそれが演技で、実は私のこと何とも想ってなかったなんてさ…。
分かんないよ…。分かる訳ない…。
私…。初見さんに裏切られたら、もう今度は立ち直れない…。
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