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…自分の思いも、これくらい素直になれたらいいのに。
自分のことを蔑みながら、「何を手伝ったらいいですか?」と聞く。
初見さんは棚卸しのため、備品室の中の物の数を数えていたらしい。
なので私は下から数えていくことにした。
ふたりで黙々と作業をする。
やっと私の持ち場の数を数えれたので、初見さんに報告する。
「初見さん、終わりましたよ」
「ありがとう。俺も終わった」
そう言って脚立から降りて来た。
降りて来る初見さんの方を見ると。一番上の棚の段ボールの上に、一枚の紙が見えた。
「…初見さん。棚卸しの紙、一枚忘れてますよ」
私が指摘すると、
「あっ。一枚バインダーから外したんだった」
「じゃあ取って来ますね」
そう言って私が脚立を登る。
初見さんのおっちょこちょいな部分が見えた。
心の中で意外な一面が見れたと微笑む。
紙を取り、下に降りる。
そして残り2段のところで、気が緩んだのか。足を踏み外してしまった。
あっ。と思う間もなく、体が後ろに倒れていく。
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