私に構わないで

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何だかんだとお酒の席と言うこともあってか。 皆盛り上がって楽しそうにしていた。 隣でべったり中村にくっつかれている黒岩は、あまり笑ってはいなかったけど。 私は酒も飲まず、ご飯を食べながらボーッと皆を見ていた。 時計だけを頻繁に見る。 まだ8時前。何でこう言う時の時間の経ち方って遅いんだろう。 私は我慢しきれずポーチを持って席を立つ。 外に出ると空気が澄んでいて、心地良く感じた。 中は熱気に包まれていて、少し熱かった。 店の出入り口傍にある椅子に座り、タバコに火を付ける。 はぁー…。落ち着く。 ずっと吸いたかったんだよねー。 男ばかりの席の癖に、誰もタバコは吸わなかった。 酒好きなのに、タバコは吸わないとかありえない。 煙を出して、空を眺める。 今日は雲が多いのであまり星は見えなかった。 こうしてタバコを吸っていると、何でこんな所にいるんだろうって思えてきた。 10時と言わずもう帰ろうかな? 黒岩の拠り所とか知ったこっちゃないし。
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