私に構わないで

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「美羽ちゃんみーっけ」 高峰がやって来た。 …見付かったか。 タバコの灰を落とす。 「トイレにしては遅いなぁと思って。捜しに来ちゃった」 そう言って私の隣に座って来た。 「美羽ちゃんもタバコ吸うんだ」 高峰もポケットからタバコを取り出して、火を着けた。 「高峰は吸うんだ」 「うん。他の皆は吸わないけどな」 タバコを灰皿に捨て、新しいタバコに火を着ける。 「美羽ちゃんも吸わないと思ってて、あそこで吸ったら嫌がるかな~と。でも我慢出来なくて来たら美羽ちゃんがいた」 ハハハと高峰が笑った。 「何か9時に中村は帰るみたいだから、後ちょっと我慢して」 「あ、そうなんだ」 もう帰ろうかと思ってたけど、中村が帰るなら後1時間も耐えれるかな。 「私の門限は9時なの~って。店のバイト12時まで入ってるだろ!ってな」 中村情報はどうでもいいので、黙ってタバコを吸う。 高峰が時計を見る。私も気になったので時間を見る。 8時30分。 とりあえず9時までは後30分。
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