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「ふたりして何処行ってたんだよー」
戻って来た私達に有岡が声を掛ける。
「ちょっとタバコをな」
「タバコ~?何か怪しいなぁ」
「ホントだって」
有岡と話す高峰はもういつもの高峰だった。
さっきのは何だったのか?
私は考えないでいた。ううん。考えない方がいいー。
私には必要ないことだ。
「ー~♪」
誰かのケータイが鳴る。
「あ、パパかな?」
中村がケータイに出る。
「ーうん。分かったぁ。はーい」
「パパのお迎えが来たから、真梨帰るね」
その瞬間黒岩の顔がハッとした。
皆もやっとか、みたいな表情になる。
「今日はありがとう。また誘って欲しいなぁ。黒岩君またねっ」
「あ、あぁ」
「じゃあまたバイトでぇ」
中村が立ち上がって皆に手を振る。
そして何故か私を見て、
「片瀬さぁん、一緒に下まで行ってもらってもいーい?」
と、言ってきた。
はっ?
何で私が一緒に行かなきゃいけないの?
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