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「じゃあ」
今度こそ店から出た。
iPodのイヤホンを着け、空を見上げる。雲間から少し月が見えていた。
何なの?
よってたかって。
頼むから私に構わないで!
飲み会で起こったことを思い出して、イライラが蘇ってきた。
どいつもこいつも!
鞄の中からタバコを取り出す。
本当は歩きタバコは好きじゃないけど。今日は知らない。
煙を吐いて、足を止めてまた空を見上げる。
見えていた月はまた雲に隠れ、見えなくなっていた。
…私もあんな風に見えなくなればいい。
そうしたら誰も私を構うことはなくなるのに。
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