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白く暖かい日の光で目を覚ます。開きっぱなしの窓から吹き込む、肌を刺すような冷たい風の中に、微かに春の匂いを感じた。
どこかで小鳥が鳴いている。人の話し声もした。
穏やかな朝。
その朝が、僕は嫌いだ。
ひたすら広がる『無』が怖いから。
起きあがると、枕もとにある分厚い本が目に入る。自然と手が伸びて、それを開いて僕は少しずつ理解していく。
僕はレオン。19歳。戦士ギルドに所属していて、手紙を預かっている。目的は、それをエルフ族の長に届けに行くこと。賢者の塔へ行くこと。それから、学者である父親を探すこと。
足元に大きなリュックがあった。僕はそれを開けて、本に書いてある持ち物が全てあることを確認する。長剣はベッドの下に置いてあるし、ペンダントは首もとにある。
「大丈夫」
ちゃんとある。大丈夫。
そう呟いて、僕は一番最近──おそらくは昨日、書かれた文章に目を通す。
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