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王都の医者が来て、言った。
僕は記憶が1日しか保たなくなったらしい。理由は不明。治療法も不明。
僕はレオン、母親はクリスティーナ。僕は母さんと呼んでいた。
確かになにも思い出せないから、本当に僕はそうなんだろう。でも、そんなこと言われても正直よくわからない。
これは母親が買ってきて、僕に書くように勧めたみたいだ。誕生日を過ぎてから、時々忘れることが増えて、その日のことを書くといいよと言ったらしい。
僕はそれも覚えていない。
前のページに書いてあるのは、そういうわけなんだろう。あれはきっと、僕が書いたんだ。
名前も誕生日もわからないのに、どうして文字は書けるんだろう。言葉も話せる。わからないことだらけだ。
とにかく毎日日記を書かなくちゃ。
日付を必ず確認して、日記を書く。
そうしないと、どうにもならない。
これは常に持っていないといけない。
これは僕の、記憶だ。
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