学校というもの。

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支度を済ませて譲の作ってくれた朝ごはんを口にして早めに家を出る。 朝がこんなに明るいなんて知らなかった。 一度確認で通った通学路の木だとか、鳥のさえずり、煩い音を立てながら過ぎていくバイクや、ジョギングしてるおじいさんとか、いろんなものが新鮮だ。朝の匂いがする。 ポツポツと見え始めた同じ制服の人間達に少し緊張を覚えながら歩く。 皆それぞれに曲を聞いてたり、スマホを弄ってたり、うつむいて歩いている。 校門を抜けると、一人の女子生徒と目があった。じーっと見られた後何事もなかったかのように前を向く彼女。次は男子がじーっと見てきて、俺はあの夢の再来を感じた。 まぁ、しょうがないよな。俺、こんな奴なんだから。 胸の内で言い訳をしつつ職員室まで向かう。
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