学校というもの。

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「聖ちゃん、大丈夫?」 「っ!!?」 俺は跳ね起きた。 起きたということは寝てたということだ、つまりさっきのは... 「夢...かよ...」 よかった。 けれど心臓が鳴り止まない。 ドクドクうるさい胸を右手で抑える。 訳ありの同居人、譲はベッドの横に腰掛け、俺の顔を覗き込む。 「聖ちゃん、不安なんだね」 譲が眉を下げて囁くように言う。 男らしい顔立ちなのに譲は俺の前だとこんな顔をしてばかりだ。 「ま、そりゃ...学校なんて通ったことねえから...」 義務教育だのなんだのとは無縁の裏社会で生きてきた。 そんな俺が高校に通うことになったのはつい3ヶ月前のことだった。
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