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女「え?いま、暇ですよね?
暇だからちょっと散歩でも~…って家をでて歩いてた。違いますか?」
俺「(えっ、なにそれこわい…)」
先程の少し軽めの印象とは違く、
少し恐いような重いような
印象的な薄灰の色の瞳で
俺の目を見つめてきた。
俺「えっ…いや…(…外国の方?ハーフ?かも…?いやいや、ヤバイやつだろ。)」
彼女は上目遣いでさらに続けた。
女「あの…本当に急いでいるならこれ以上引き止めませんけど、少しだけ…付き合ってもらえませんか?」
うっ…上目遣い…
周りの目も集まってきてるし…
俺「いや、あの…よくわかりませんけど、少しくらいなら…」
俺が言い終わるまえに
彼女の言葉に遮られた。
女「本当ですかー!ありがとうございますー!」
俺「いや…あの…所で何の用ですか…?」
あーぁ、やっちまった。
ただの逆ナンパなら
これほどこの上なく喜ばしいどころか
むしろウェルカムなんだけど
世の中そううまくいかないよね。
女「貴方は知ってるはずなんで、少しお聞きしたいことがございまして…」
新手の逆ナン?
知ってるみたい?
まぁいいか。
俺「えーっと…なんでしょう?
知ってるみたいって…どういう事ですか?」
女「んー、貴方は知ってるはずなんです。私にはわかります。わかってしまうんです。」
またさっきの目か…
つーか…少年って…
俺のことだよな?
俺「あの、まず俺、少年って年でも無いんですけど…もう成人してますし…」
彼女は少し不思議そうな顔をして
陰を感じる明るい笑顔を見せた。
女「でも貴方は私の思う少年さんだと思います。私の方が年下ですけどね。」
なんとも言えぬドヤ顔。
なんだろう…ムカつく。
俺「とりあえずこんな所で立ち話もあれだし、どこか座りませんか?」
女「お、気が利きますねー!ちょうど同じ事を結構前から思っていた所です。」
結構前…
全然ちょうどじゃねーじゃねーか…
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