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さて、どうしたものやら・・・と、考えていると軽快な機械のメロディーと共に電子音声で「お風呂が沸きあがりました」というアナウンスが流れたので、結局俺は腹をくくって風呂に入ることを決意した
1DKという男の俺が一人で暮らすにはちょっと大きい気もしないでもないキッチンを抜け廊下を歩いて風呂場に向かう
廊下を歩いているとほんのかすかな音でカチッっという音が聞こえた
振り返ると、どうやら開きっぱなしにしていたオカルト板のページが更新された音だった
ここで俺は一つの疑問を抱いた。このページに自動更新なんて機能はついていない。だとすればだ、俺のPCから物理的に更新ボタンを押す以外にこのページを更新する方法は無いという事。俺のPCがウイルスにでも犯されて遠隔操作やそういった類のものに更新ボタンを押されない限りは、ではあるが
ま、タイムラグかなんかで遅れて更新されたのかな。程度に思った俺は深く考えずに再び風呂場に向かった
先に体を洗い、歯を磨き、髭を剃刀で剃ってから呼吸を整え、ついに頭を洗う所まで来た。アレを思い出さないようにするのはもう不可能なので、開き直って立って頭を洗うことにした。
"さて、洗髪中にいち度ならず、頭の中で何度か「だるまさんがころんだ」を反芻してしまったあなたは気付くでしょう。青じろい顔の女が、背後から肩越しにあなたの横顔を血ばしった目でじっとみつめていることに…..。"
という文章が脳内で音声変換されて反芻される。
じりじりとうなじが焼け付くような緊張感が滲み出てきて、頭を洗う手が自然と早まる。早く・・・早く・・・と焦りと緊張がない交ぜになり、永遠のように感じる時間の中、急いでシャワーで泡を流す
ピチャリ
と、背中に非常に冷たく感じる一滴の水が落ちた
心臓がドクンと大きく脈打つのがわかった
シャワーの音が遠くの音に聞こえ始めた時には、うなじのじりじりとした感触は緊張からではなく、視線によるものに代わっていた
そう、恐らく・・・見られているのだ。何かに
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