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「岡さん、このナンバリングって、なにを基準に採ってるんですか?」
「岡さん、受注金額が全然元データと合ってないんですけど、どうすればいいですか?」
「岡さん、この要件、お客さんに期限を切ってもらわないとダメだと思うんですけど」
「岡さん、トイレ行ってきていいですか?」
うるさい。
分かりきったことをベラベラと。
お前の考えてる問題なんて、とっくの遥か昔に分かってることなんだよ。
とにかく、お前は手を動かしていればいいんだ。
俺の言った通りに。
何も考えずに。
あと、トイレは勝手に行け。
俺がダメだって言ったら行かないのか、お前は。
しかし、こんなやつでも以外と効果はあったということか。
進捗が戻ってきた。
まったく。
多分、いや間違いなく、こいつはバカなんだろうけど、不思議と仕事が進んでいる。
失敗も多いうえに、どう考えたらそうなる!?と思ってしまうようなことを繰り返すくせに変に飄々としている。
極度の楽天主義なのか。
失敗をした直後に俺が博多出身と知るや、
「えっ!?
岡さん、博多の人なんですか?
方言話して下さい!
羨ましいなぁ」
とか言ってくる始末。
どんな方言マニアだ。
そんなこんなで、定時過ぎにこってりと俺の博多話やら家族の話やらこれまでの仕事の話やらをしてやった。
若干飽きてきたような顔をしていたがざまあみろ、だ。
お陰で仕事もしてないのに、無駄話に1時間も過ごしてしまったじゃないか。
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