1人が本棚に入れています
本棚に追加
「恐かったでしょ?…。もう、大丈夫よ…」
優しくそう言って、抱きしめられる。
あったかい…。
「おばあちゃん…ありがとう。」
素直に言えた言葉。
久し振りに言ったかもしれない。
・
・
・
それから、しばらくおばあちゃんと話をした。
母さんは安心したように帰っていった。
「桜華ちゃん、お願い聞いてくれるかしら?」
「なに?」
おばあちゃんに差し出されたもの。
おいなりさん…?
「来てもらったばっかで悪いんだけどねぇ?…」
つまりは、裏山の神社にお供えをしてきて欲しいとのことだった。
「いーよ。暇だから」
私はそう言って受け取った。
おばあちゃんはニッコリと笑って、送り出してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!