第1章

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「恐かったでしょ?…。もう、大丈夫よ…」 優しくそう言って、抱きしめられる。 あったかい…。 「おばあちゃん…ありがとう。」 素直に言えた言葉。 久し振りに言ったかもしれない。 ・ ・ ・ それから、しばらくおばあちゃんと話をした。 母さんは安心したように帰っていった。 「桜華ちゃん、お願い聞いてくれるかしら?」 「なに?」 おばあちゃんに差し出されたもの。 おいなりさん…? 「来てもらったばっかで悪いんだけどねぇ?…」 つまりは、裏山の神社にお供えをしてきて欲しいとのことだった。 「いーよ。暇だから」 私はそう言って受け取った。 おばあちゃんはニッコリと笑って、送り出してくれた。
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