運命の日

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あれは、 夢……だったのだろうか? 朝目覚めたのはベッドの中。 乱れた様子は少しもなく、きちんとパジャマを身に着けていて。 安堵……のあとに、 急いで飛び起きた。 思い出すのは昨夜の行為。 途中で意識を手放した自分に確証がなくて、激しく動揺。 慌ててシーツをめくり、 ”初めての証”を探してみたけれど。 何も、なかった。 昨夜の痕跡など……どこにも。 疑心暗鬼。 念のため、 制服に着替えるまでに何度も何度も鏡の前で、自身の身体を確認してみたりもした。 が、 ないものはなくて。 アザもなく、キズもなく、至って普通。 あの、 夢にしてはリアル過ぎる感触と感覚が、自分の頭を混乱させる。 兄に会うのが怖かった。 リビングに行くまで。 二階から降りるまでに、ためらいと躊躇を繰り返し…… 迫り来るタイムリミットに追われ、意を決して兄の待つ場所へと来たはずなのに。 泣きそうになる…… 同じなのが、嬉しくて。 変わらないのが、嬉しくて。 あれが夢だったことが、 たまらなく、嬉しくて……
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