もっと声を

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 僕が石なら、君は星だろう。  君が石なら、僕はきっとバクテリア。  ――君の趣味は褒めたものじゃないよ、本当に。  誰も望まない結末。  誰もが驚く結末だろう。  触れることも叶わないから、見ることもしなかった。  君を知らないままの自分にしたよ、何度も何度も忘れるようにした。  ――繰り返して繰り返して、エレキギターかき鳴らした。  歌えやしない曲を、精一杯の音痴な声で、目一杯の声量で  届くまでずっと鳴り響け。  遠い遠い君へ  ――もう一回だけ言わせて。やっぱり君は趣味が悪い。
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