1525人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
まるで中学生がそうするように、
あたしをデートに誘った
拓海さんは、
終始無言で運転を始めた。
テレビ局を出た
アヴェンタドール様は、
首都高に入る。
どこに行くのと
訊きたかったけど、
なんか空気的に訊きづらい。
いつもなら
ブリトニー・スピアーズが
流れてくるのに、
今日は何も流さないし。
さっきの彼にとっての
羞恥プレイを差し引いても、
妙な沈黙。
ブリトニーに慣れていたから、
エンジン音しか聞こえない
車内はちょっと変な感じがする。
流れる景色を見ながら、
ふ頭の方に向かってるのかなと
ぼんやり考えた時、
急に目の前の景色が開けて
視界の半分が夜空になった。
思わず溜め息が漏れる。
.
最初のコメントを投稿しよう!