-3-

8/13

203人が本棚に入れています
本棚に追加
/602ページ
――こんな風に嫉妬して、みっともないのはわかってる。 でも、呉さんを取られたくない……。 子どもじみた独占欲が、名倉さんには警戒しろと私に命令してくるのだ。 そんな子どもの私を抑えつけるように、理性である私の大人の部分が、呉さんが幸せになることが、どうして自分の幸せだと思うことが出来ないの?と子どもの私をなじる。 2つの感情が拮抗し、もう私はどうすればいいのかわからないくらい苦しい。 あぁ、私はどうしてこんなに中途半端なんだろう。 呉さんに、ずっと傍にいて欲しいなんて、そんな迷惑なことを言ってはいけないと大人ぶっているのに。 離れていこうとされると、どこにも行かないで、私は呉さんがいなきゃダメなのと、子どものフリをしたくなる。
/602ページ

最初のコメントを投稿しよう!

203人が本棚に入れています
本棚に追加