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――こんな風に嫉妬して、みっともないのはわかってる。
でも、呉さんを取られたくない……。
子どもじみた独占欲が、名倉さんには警戒しろと私に命令してくるのだ。
そんな子どもの私を抑えつけるように、理性である私の大人の部分が、呉さんが幸せになることが、どうして自分の幸せだと思うことが出来ないの?と子どもの私をなじる。
2つの感情が拮抗し、もう私はどうすればいいのかわからないくらい苦しい。
あぁ、私はどうしてこんなに中途半端なんだろう。
呉さんに、ずっと傍にいて欲しいなんて、そんな迷惑なことを言ってはいけないと大人ぶっているのに。
離れていこうとされると、どこにも行かないで、私は呉さんがいなきゃダメなのと、子どものフリをしたくなる。
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