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「こちらです。どうぞ」 席へと促され、呉さんの後をついて行く。 ダークブラウンの木で出来たチェアーとテーブルが、また懐かしい。 「今、お冷をお持ちしますね」 『Reserve』と書かれた立て札を取り、奥さんは再びカウンターへと戻って行った。 品のいいクラシックが流れ、ほんのり落とされたオレンジの照明がまたいい雰囲気を醸し出している。 今日は予約のお客さんしか入れていないのか混む時間でないのか、店内に人はまばらだ。 「……すっごい懐かしいね、ここ」 「だろ?」 店内をぐるりと見回した後、呉さんに話しかけると呉さんは得意げに微笑んだ。
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