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「――あれ、もしかして……飯島?」 公園からの帰り道。 呉さんと並んで歩きながら大学の話や呉さんの小説の話をしていると、正面からこちらへ向かってくるライトが1つ見えた。 カシャカシャという音からして、自転車だろう。 そんなことを思っていると、しばらくして自転車が私たちの横を通り過ぎた。 ……と思っていたら。 キッという音と、靴底が地面に擦れる音。 そして聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、反射的に振り返るとそこには。 「林くん……」 大学で同じゼミに配属されている、林 佳彦(ハヤシ ヨシヒコ)くんが自転車に跨ったまま私たちを振り返っていた。 「お疲れ。今帰り?」 「お、お疲れ……。まぁ、そんなとこ。林くんは?」 「バイト帰り」 わざわざ自転車を降りて、林くんはこちらに近づいてくる。
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