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「っ、美音っ……!」
その時だった。
「んっ……!」
呉さんの苦しそうな声が聞こえて、目の前が暗くなったと思った途端、急に息苦しさを感じて。
反射的に瞑ってしまった目を薄く開くと、そこには目を瞑った呉さんの顔が、ものすごい至近距離にあった。
そしてわかる。
唇に触れる熱く、柔らかい感触。
呼吸のし辛さ。
あれ、もしかして私。
……呉さんにキスされてる?
冷静にそんなことを考えていられたのもそこまでで、隙間から入り込んだ一際熱い感触に、意識を全て持って行かれる。
舌を絡め取られ、歯列をなぞられ。
初めての感覚に恐怖もあるというのに、それを上回る、お腹の底から這い上がって来るような快感に、頭がどんどん麻痺していく。
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