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身体を動かそうとすると、私の両脚の間に呉さんの右脚が入り込んでいて、逃げ場がないことを再認識させられる。 「(……どうし、よう)」 なんだろう、この感覚。 頭が、身体が、私の全てが痺れているような感じ。 逃げたい、逃げたくない。 やめて欲しい、やめて欲しくない。 言葉で表すことの出来ない、今までに感じたことの無い感覚に、私は思わず呉さんの背中に手を回し、しがみつく。 「ん、ッ……」 どこから出てるんだろうと思ってしまうような、吐息のような声が漏れて恥ずかしさで顔が熱くなるのがわかった。 「んぁ、く、れさ……」 酸素を求めて顔をずらせば、逃がすまいと追いかけて来る。 そんなことを繰り返していた時。 ガシャーン、と。
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