-7-

4/12
前へ
/602ページ
次へ
何故こんなことになっているかと言えば、簡単なことだ。 名倉さんが、私に誕生祝いのケーキを持って来てくれたのだ。 ナイスタイミング!と言うべきか、バッドタイミング!と言うべきか。 非常に悩ましいところではあるけれども。 おかげで、いつかは顔を合わせなければならない呉さんと、1対1で会わなくて済んだのだと言われれば、きっとナイスなタイミングなんだろう。 「もう美音ちゃんも22かぁ……。早かったねぇ」 「え」 「来年は社会人か!就活も忙しいでしょ」 物思いにふけっていると、呉さんと話していた名倉さんが急にこちらを見てそう言った。 「そ、そうですね……」 上手く笑えていただろうか。 多分、引きつった笑いだっただろうな……。
/602ページ

最初のコメントを投稿しよう!

203人が本棚に入れています
本棚に追加