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だって、そんなの当たり前だ。 「(……呉さんは)」 呉さんは、名倉さんが好きなんじゃないの……? 呉さんの様子を窺うと、名倉さんの話を聞いて相槌を打っている呉さんの横顔が目に入った。 「(なんかもう……)」 よくわかんない。 呉さんは名倉さんのことが好きなんだ、と。 2人の想いは通じ合っているんだと、勝手な推測とはいえ本当に思っていた。 でも、呉さんは私にキスしてきた。 あのキスは、何だったんだろう? 小説の構成に煮詰まった時によくやる、過度の愛情表現なのか。 それとも、本当の愛情表現なのか……。 考えれば考えるほど、呉さんの考えていることがわからない。
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