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「その悪い印象は、この歳になっても変わらないよ。ただでさえいい印象なんかないのに、加えてあいつらはお前のこと、疎ましく思ってるんだから……そんな奴らと付き合ってなんていけるかよ」
眉間に深くしわを寄せ、呉さんは悔しそうな苦しそうな表情を見せた。
私の脳裏に、お祖母ちゃんのお葬式のことが思い出される。
呉さんの心情が移ったのか、私の眉間にも自然としわが寄る。
あの時は本当に辛くて、でも、あれがきっかけで私の呉さんの想いは決定づけられることになったんだ。
当時に思いをはせていると、急に右肩が重くなった。
「呉さ……んっ?」
視線を右肩にやれば、呉さんが自分の頭を私の肩に預けて目を瞑っていた。
その顔があまりにも綺麗で、私の喉がグッと音を立てた。
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