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満面の笑みを浮かべる美音に右手(正確には中指と薬指)を引かれながら、部屋をあとにする。 その力強さとさっきのアタックの衝撃を思い出して、本当に美音も大きくなったなぁとまた思う。 ここに来た時にはふわふわといった程度にしかなかった髪の毛も、今は肩を越していて、それを高い位置で2つに縛っている。 「呉さん!今日はね、保育園で絵描いたから見してあげる!」 「おぉ、サンキュ。あとでな」 「うん!」 えへへ、と笑う美音に笑い返す。 美音は誰に教えられたのかわからないけど、俺のことを“呉さん”と呼ぶ。 ついでだけど、兄さんのことは“音さん”と呼んでいる。
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