203人が本棚に入れています
本棚に追加
グルグル悩みながらカレーを口に運んでいると
「呉さん…美味しくないの？」
「へ？」
俺の隣に座る美音がスプーンを動かすのを一旦止め、俺の顔を覗き込む。
その表情は、心配そうに歪んでいる。
「それとも、カレー、嫌い？」
「え、そんなことないよ？」
「じゃあ、なんでそんなに怖い顔してるの？」
「え……」
俺、そんな怖い顔してた？
そんな俺の気持ちを察したのか、母さんが横から口を挟む。
「紫呉…仕事で煮詰まってるの？食べる時くらい仕事のことは忘れれば？」
最初のコメントを投稿しよう！