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そう言ってまたカレーを食べ出した。 事態はそこまで深刻ではなかったと考えられる……と。 頭の中のワープロでそう打ち込んで、この話は終わりにした。 ……ということには出来なくて。 美音が寝てしまった午後10時過ぎ。 今俺は、母さんと居間にあるテーブルを挟んで向かい合っている。 テレビから聞こえるニュースの音声に耳を傾けながら、テーブルに置かれた麦茶の入ったグラスを眺める。 透き通った茶色のそれに自分の顔が映り、その顔はどことなく緊張していた。 「紫呉」 母さんに名前を呼ばれ、ビク、と少しだけ肩が跳ねた。
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