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「……美音は確かに紫音の子どもじゃないかもしれない。でも、紫音が『俺の子どもなんだ』って言うんなら……。その言葉を信じようって、美音は紫音の子どもなんだって、信じることにしてるんよ。 だから紫呉。無理やり美音は紫音の子どもだって信じる必要も、他の人の子どもなんじゃないかって疑う必要も、ないって思うよ」 美音は兄さんの子どもだと信じる必要もなければ、疑う必要もない……。 何というか、胸のつかえが取れたと言えばいいんだろうか。 それを聞いた時妙に、すんなりと「あぁ、そうか」と思えた。 「何にせよ、美音はもう家族なんだし。それについてはあんたも、異論はないでしょ」 「……あぁ」 母さんの問いにも、素直に肯定することが出来た。 そうだ、美音は“家族”として俺の中に住み着いている。 今じゃもう、美音のいない生活は考えられない。
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