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「(……何だ)」 案外、答えはすぐに見つかったじゃないか。 美音は、家族だ。 それはもう、欠けることがあってはならないくらいに、家族。 「呉さん、呉さん」と駆け寄って来る姿は、俺から見ても可愛らしいと思う。 それに何より。 「(守らなければならないと、あの時誓ったじゃないか……)」 雪降る、美音がこの家にやって来た時のことを思い出す。 あの時、守らなければと思った時から。 もう美音は、家族だったというのに……。 でも、 妙に清々しい気分でいた、この時の俺はまだ知らない。 この、“家族”という足かせが、 どれだけ俺を苦しめるのかということを――……。
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