第1部

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――初めて彼女をこの腕に抱いた時のことは、今でも忘れられない。 あんなに小さくて、柔らかくて、頼りないものに初めて触れた。 そう。 あんなに小さくて、柔らかくて、頼りないのに。 確かに、生きている。 そう実感した。 そして思ったんだ。 ……守らなければならない、と。 ごくごく自然にそう思えた。 あの時の気持ちは嘘じゃないよ。 ねぇ、美音。 俺はちゃんと、君を守れているかな……?
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