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自然な動作で2人から視線を窓の外へ移しつつ、再び物思いにふける。 兄さんと俺は全く反対の性格・性質である。 アウトドア派な兄さんと、インドア派な俺。 陸上部だった兄さんと、文芸部(ほぼ帰宅部)だった俺。 鍛え上げられた肉体を持つ兄さんと、太れない体質で昔からヒョロヒョロの俺。 日に焼けてる兄さんと、病的なまでに色白の俺。 挙げ出したらキリがない。 そんな兄さんと俺の趣味が合うはずもなく、兄さんと俺2人で行動を共にしたことは多分、ない。 だから、こうやって兄さんと同じ空間にいるのは初めてかもしれない。 もちろん今だって、美音がいて2人だけっていうわけではないけど。 大体、いい年したおっさん2人でいたって何にも面白くない。 むしろ嫌だ。
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