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「母さんにも、お前にも苦労させてるし……何より美音に寂しい思いをさせてるな」 「兄さん……?」 何だ、急にしんみりした感じになって。 先程とはあまりにも対照的すぎる様子に、何だか妙な胸騒ぎがおさまらない。 寄りかかっていた背もたれから背中を離し、兄さんの方へ身体を寄せると。 「お前も大好きな兄さんがいなくて寂しかったろう!?よしよし、これからはなるべく一緒にいてやるからな!」 「はぁ!?」 突然態度が急変し、今まで通り、妙に馴れ馴れしい人当たりのいい笑みを浮かべる兄さんに戻った。 「これから1回撮影で出掛けなきゃならないけど、それが終われば仕事もひと段落するんだ。そしたらお前の傍にいて、小説書き、手伝ってやるからな!」 「は!?いらねーよ!」 むしろ急に俺を子ども扱いし始めて、ウザいったらありゃしない。
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