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「お母様も……本当に、申し訳ありませんでした……」 名倉さんは正座のまま母さんの方へ身体の向きを変え、座卓から姿が見えなくなるほど頭を下げた。 「紫音を……いえ、紫音さんをこのような姿にしてしまった罪は大変重いと感じております。もちろんこれから様々な方法で責任は取らせていただきます」 「そんな……大丈夫ですよ、そこまでなさらなくても……」 俺の隣で意気消沈、といった様子で座り込んでいた母さんも、名倉さんの態度にさすがにきちんとしなくてはと思ったらしい。 本当は色々思うこともあるのだろうけど、そこは大人の対応をしている。 問題は……美音だ。 父親である兄さんの死を告げられてからというもの、美音は明らかにショックから立ち直れていない、といった様子だった。
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