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その時、ふと感じた違和感。 「俺……あ、いえ、私と名倉さんはお会いするのは初めてですよね?美音とは会ったことがあるのですか?」 「あ、いえ!今日が初対面で……」 「でしたら、何故中学生だとおわかりに?」 「あ、それは……」 そうだ。 美音は今日、学校を休んだから制服を着ているわけじゃない。 誰かが「美音は今中学生で……」と言ったわけじゃない。 なのにどうして……。 「あの、先程も言ったと思うのですが、紫音…貴方のお兄様から彼女の話はよく聞いておりましたので」 「あぁ、成る程」 あ、そうか。 そういえばさっきそう言ってたかもしれない。 兄さんは親バカだったから、きっと美音の話をいろんな人にしていたんだろう。
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