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「単刀直入に聞くけど兄さん、あの子、誰との子ども?」
こじんまりとしたテーブルを挟んで、俺は兄さんに詰め寄った。
「大学はどうだ?紫呉(シグレ)」
にこにこと、人当たりの良さそうな笑みを浮かべる兄さん。
あぁ、また始まった。
「俺の話、聞いてた?」
「楽しいか?どんなこと勉強してるんだ?」
「…まぁ、色々と」
はぁ、と大きいため息が出た。
兄さんが連れて来た女の子――名前は美音(ミオン)というらしい――は母さんが今、あやしている。
あれから目が覚めて、大泣きしてしまったのだ。
「可愛いだろう、美音。生まれてまだ8ヶ月でね、6月24日に生まれたんだよ」
「兄さん!」
懲りもせずに全く見当違いなことを言ってくる兄さんに、俺は思わず声を荒げてしまった。
こうやっていつも、兄さんは大切なことをのらりくらりとかわしてしまう。
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