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「っ……」 その声の凛とした強さと、ちらっと見えてしまった笑顔に、俺の心臓が異様な反応を見せた。 「(な……)」 なんだ、その、笑顔。 久々に見たからか、それともあまりにも大人っぽかったからか。 俺の心臓は、今まで感じたことのない、不穏な動きを見せていた。 懸案事項がないわけじゃない。 むしろ今、増えたくらいだ。 でも、俺の中ではあの想いが強くなっていた。 フロントガラスから目の前に広がる景色を見つめる美音の横顔を見て、再度、胸に誓った。 そうだ、これから君に何かあった時は必ず。 ――俺が君を守るから。 (第1部 完)
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