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――カタカタと、キーボードを叩く音がシンクロする。 ダイニングテーブルの上には、白いノートパソコンと左端をクリップで止められたコピー用紙。 そのパソコンの前には呉さんが、黒いセルフレームの眼鏡をかけて資料とパソコンの画面を交互に眺めてはキーボードを叩く。 テレビの前に置かれた座卓の上には、呉さんとは違うメーカーの白いノートパソコン。 借りられるだけ借りて来た、参考資料と配られたプリントの山。 手に負えないほど散らかった座卓でレポートと格闘するのは、私。 「(……あー)」 無理、頭がこんがらがって、なんかもう、無理。 課題レポートの提出締切が迫る中、私は文章を書いては消し、書いては消しを繰り返している。
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