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息抜きしよう、と、レポートを始めてもう何度目かわからない息抜きを開始する。
コーヒーでも飲もうかな。
やっぱりミルクティーにしようかな。
近場に転がっていたチョコレートを口に放り込んで、台所へ向かおうと立ち上がり、呉さんの横を通ると。
「……っ、何?」
ガシ、と。
突然腕を掴まれて引き留められ、その力の強さに身体が後ろに倒れかけた。
もちろん、その犯人は呉さんなのだけど。
「俺、コーヒー」
マグカップを差し出しながら、とても小説家とは思えないような文章を紡ぐ呉さん。
呉さんが座っていて私が立っているので、珍しく視線の位置が逆転している。
上目遣いに見つめられ、思わず顔を逸らしてしまった。
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