義理の父と兄

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午前6時30分、光博が目を覚ました、光博は体を起こしソファーから立ち上がると寝室に行き『美緒、起きたか』と言ってドアを開けた。 『どこに行ったんだ』 美緒の姿がなく光博は心配になった。 その時、コンビニに行っていた美緒が袋を持って帰宅した、美緒はキッチンに行きテーブルの上に袋を置き買ってきた弁当を出しテーブルに置いた、光博は美緒に近づき『どこに行ってたんだ』と怒鳴った。 『朝ごはん作ろうと冷蔵庫を見たら何もなかったからコンビニに行ったんだ、はい、財布』 美緒は光博の財布を返した、財布を受け取り光博は安心した。 『仕事があるんだろ、ご飯食べようや』 『ああ…』 美緒と光博は向かい合って椅子に座り弁当を食べ始めた。 『今日、高校に行って退学届け出してくるよ』 食事をしながら美緒が光博に言った。 『俺もついていこうか』 『1人で大丈夫だよ、それに仕事忙しいだろ…それと…父さんさえ良かったら秘書をやらせてもらえないかな』 『そりゃあ助かるよ』 『本当、良かった』 食事を終えた美緒は椅子から立ち上がり玄関に行った。 『退学届けを渡してきたら父さんの会社に来いよ』 光博は椅子に座ったまま玄関で靴を履いている美緒に目を向けた。 『わかった、行ってきます』 美緒はドアを開け出掛けていった。 その頃、校長室では太一と嵐、そして遊が話をしていた。 『丸山美緒を乱暴したって本当か』 太一は机の椅子に座ったまま遊に問いかけた、遊はうつ向き笑みを浮かべ顔を上げると『そうだと言ったら』と答えた。 『しかも父親の家で…』 『先生、よく知ってますね、もしかして見てたんですか』 『美緒はみんなの女神だ…調べる生徒だっているだろ…』 『居場所を知るために生徒を使ったんだ』 遊は嵐に近づき小声で言った、嵐は遊を睨んだ。 その時、ドアをノックする音がした、太一は椅子に座ったまま『どうぞ』と答えた。 ドアが開き入ってきた人物に太一と嵐と遊は驚いた、美緒も嵐と遊に驚き足を止めた。 太一は椅子から立ち上がり美緒に近づくとソファーに座らせ太一も向かい合ってソファーに座った。 『あの、これ…』 美緒は退学届けの封筒を太一に差し出した。
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