義理の父と兄

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太一は封筒を受け取り『学校を辞めるんですか?』と美緒に言った。 美緒は嵐と遊の目線を気にしながら頷いた。 『2人とも出ていってくれないか、美緒君が気にして話せない』 太一は美緒に視線を送る嵐と遊に築き言った。 『授業もあるし行くぞ』 嵐は遊の腕を掴み校長室を出ていった。 太一はソファーから立ち上がり美緒の隣に座った、美緒はドキッとしうつ向いた。 『退学するのは嵐や遊のせいだろ』 太一の言葉に驚いた美緒は顔を上げ太一を見た、太一は美緒の顔を掴み『君がこの学校に入学してきたときから俺は君に惹かれてた、君のお母さんと恋をし結婚したのも君を手に入れるためだ…』と言って太一は美緒の唇にキスをした。 『んん…』 美緒は太一の体を押し唇が離れた。 『あなたも…』 悲しくなった美緒は立ち上がり逃げようとしたその時、太一に腕を掴まれソファーに倒された。 『やめてください』 『先に嵐に奪われてしまったけど、俺は…』 太一は美緒に覆い被さりながら唇を重ね体を奪った、美緒は抵抗しながら叫んだ。 『嫌…あ…やめてください!』 美緒は太一を突き飛ばしソファーから立ち上がると校長室を出ていった、太一はソファーに座り『何てことをしたんだ俺は』と言いながら頭を抱えた。 美緒は駆け足で廊下を歩いた、その姿を授業中の生徒が見かけ『美緒さん』と言って席を立った。 騒ぎになり教室から生徒たちが出ていった。 『え?…』 美緒は立ち止まり振り返った、生徒たちは美緒に集まり美緒は怯えた。 『お前たち教室に戻れ、ほらどけ』 嵐は生徒たちを退かせ美緒の手首を掴むと廊下を走り外に出ていった。 校門の前で美緒は立ち止まり嵐も足を止めた。 『手を離してください』 『ごめん』 嵐は美緒の手首を掴んでいる手を離した、美緒は嵐に頭を下げ校門を出ていった。 『待ってくれ』 嵐は美緒を追いかけ美緒の足を止めた。 『何でしょうか』 『話があるんだ』 『俺にはありません…もうあなたたちには会いたくありません』 『君にしたことは謝る…俺は本気で君に惚れてるんだ』 『さようなら』 美緒は走って行った、嵐は美緒の後ろ姿をじっと見つめた。
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