義理の父と兄

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『何もしないから安心して』 太一は手をおろし嵐の腕を掴むとベットから離れ壁に行った。 『これなら良いよね』 太一は怯えている美緒に言った、美緒は怯えながら太一に目を向けた。 『手を離してくれないか』 『ごめん』 太一は嵐の腕を掴んでいる手を離した。 『あなたたちの顔を見たくない…この部屋から出ていってください』 美緒は太一と嵐を睨みながら言った。 『女じゃあるまいし乱暴されたから…』 嵐の言いかけに太一が『わかりました、話は次の機会で』と言って嵐を連れて部屋を出ていった。 『何すんだよ』 嵐は太一の手を払い階段を下りていった、太一も階段を下り嵐の腕を掴むと『ちょっと来い』と言ってリビングに連れていった。 『何だよ』 『今から俺たちはライバルだ』 『だから?』 『美緒君が悲しむ顔は見たくない、お前もそうだろ』 『ああ…』 『むりやり抱くのはやめよう、彼を抱くときは彼に認めてもらってからにしないか』 『そうだな』 嵐と太一はもう美緒を傷つけないと誓いあった。 その頃、美緒はベットからおり鞄の中から服とズボンを取り出すとその服とズボンを持って部屋を出て階段を下りたその時、リビングから太一と嵐が出てきて目があった。 『浴室に行くの?』 『…は…い…』 太一の問いかけに答えると美緒は急いで浴室に行った。 『俺、出掛けてくるから』 『何処に行くんだ』 『すぐ戻るよ』 嵐は玄関に行き靴をはくと出掛けていった。 太一は階段に座り美緒が浴室から出てくるのを待った。 その頃、美緒は体を洗いながらシャワーを浴びていた。 『太一さんは他の男と違うと思ってたのに』 体にシャワーを浴びながら美緒は思いだし涙が溢れた、その後、美緒は濡れた体をタオルで拭き服とズボンに着替えると浴室から出ていき階段に近づくと美緒は足を止めた。 階段に座ってうつ向いていた太一は美緒の気配を感じ顔を上げた。 『髪の毛がまだ濡れてるよ』 『部屋にドライヤーがあるから…』 美緒は太一に目を合わせず駆け足で階段を上がり部屋に入った。 美緒は何かされるんじゃないかと思い胸がドキドキした、その時、背後から太一が『美緒君』と言った。 美緒はドキッとし体が固まった。
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